相続税の対策で、一番最初にすべきこと

相続税の対策で、まず最初にすべきことは、現状把握とゴールの設定です。これらをしっかりとしておかないと、対策が全く意味のないもとのなってしまう可能性があります。

現状把握とは、ずばり、もし今、相続が開始したとしたら、相続税をいくら払うことになるのか、ということです。相続税の対策は、すべてはここから始まります。現状把握がなければ、例えば、どのくらいの期間で、どのくらいの財産を、誰に、どのようにして渡すのか、そのためのタックスコストはどれだけかけてもよいのか、などの検討が一切できません。まずは、スタートラインをしっかりと見極めることが重要です。

もう一つ、ゴールの設定です。ここでいう、ゴールとは、税金のゴールだけではありません。つまり、いくら相続税を安くするか、ということだけではありません(もちろん、それも重要ですが)

われわれ税金を扱う人間は、税金ありきで考えてしまうことが往々にしてあります。ですが、これは間違いです。税金というのは、二次的、三次的なものです。ほんとうに大切なのは、財産を残す方が、どのような形で、誰に、どの財産を残したいのか、というその「想い」です。

その想いをとげるためには、税金がいくらかかる、もし他の方法をとるのであれば、どれだけ節税ができる。多少、税金がかかっても、その想いをとげるのか、それとも節税できる方法を選ぶのか、このようなことを少しずつ打ち合わせていきながら、天国から笑顔で見守れる相続を目指す。これが、本当の相続対策だと思っています。

そのためには、絶対に死守すべき財産、納税のために処分してもよい財産、どうしても特定の方に引き継いで欲しい財産、など、亡くなった後の「最終形」を思い描かなければなりません。この「最終形」がここでいう、ゴールの設定です。

現状把握とゴールの設定。すべてはここから始まります。