タワーマンション節税がついに見直される?!
相続税対策のひとつとして活用されていた「タワマン節税」ですが、市場価格との乖離を是正するために、国税庁は相続税における計算方法の見直しを行う方針を固めました。
「タワマン節税」とは、タワーマンションなどの不動産を保有する場合において、相続税を計算する際の「評価額」と「市場価格(時価)」の乖離を利用した節税スキームです。
「市場価格」に関しては、一般的にタワーマンションなどの高層階の方が資産価値は高まる一方で、現行の相続税の計算においては、低層階・高層階にかかわらず、面積さえ同じであれば「評価額」も同じになります。
したがって、以下のように高層階ほど 「市場価格」よりも「評価額」が小さくなるため、これを利用して相続税を圧縮する節税方法が広まっており税務当局も注視していました。
(例)
A物件40階南向き、60㎥ 分譲価格8,000万円
B物件10階北向き、60㎥ 分譲価格4,000万円
A物件
分譲価格:8,000万円 相続税評価額:3,200万円
B物件
分譲価格:4,000万円 相続税評価額:3,200万円
分譲価格がこれだけ違っていたとしても。A物件もB物件も相続税評価額は同じなのです。
情報よると、「タワマン節税」を防止するための新ルールでは、築年数や部屋の階数などに基づいて、「市場価格」と「評価額」がどの程度乖離しているか計算し、必要に応じて「評価額」を「市場価格」に近づける計算が必要になるとのことです。
したがって現行制度と比較すると、高層階のオーナーほど「評価額」が増加し、相続税の負担も増える可能性があります。
なお今回の計算ルールの変更について、国税庁は来年1月からの運用を目指しているようです。
富裕層を中心に相続税対策として活用されている「タワマン節税」については、かねてより見直しの必要性が議論されてきました。
今回の報道によると、来年からの見直しが議論されており、変更内容によっては「タワマン節税」そのものの有効性が大きく損なわれることとなるでしょう。