4つの土地の時価

土地には時価が4つあることをご存知ですか?

 

1つ目は国(国土交通省)が公表する公示価格です。

この価格が公表される目的は土地の売買の目安にするためとされています。そのため公示価格は実勢価格(通常の取引価格)とほぼ等しくなるとされています。また公示価格の評価時点は毎年1月1日とされています。

 

2つ目は都道府県が公表する基準地価格です。

この価格は国が公表する公示価格と同様、土地の売買の目安にするためとされています。また、基準地価格には公示価格だけでは土地の評価するための地点数が不十分であり、公示価格は1年に1度しか公表されないため、土地の価格の急激な変動が起こった場合に対応できないこと等を補完する目的があります。そのため基準地価格の評価時点は公示価格の半年後の毎年7月1日とされています。基準地価格も公示価格を基礎として金額を決めているため、公示価格と同様、実勢価格とほぼ等しくなるとされています。

 

3つ目は市町村が公表する固定資産評価額です。

この価格は上記の2つとは違い、土地の固定資産税などを算定することを目的としています。固定資産税の対象となる土地や家屋は数が多くあり、毎年評価額を見直すのは難しいとされているため、原則として3年ごとに評価替えを行い、その評価時点は前年の1月1日とされています。

 

4つ目は国(国税庁)が公表する路線価による評価額です。

路線価は主に相続税や贈与税の計算に用いることを目的としています。

路線価は公示価格と比べて低く設定されています。その理由としては相続人の負担を軽減することにあります。路線価がその他の土地より高く設定された場合に相続人の支払い能力を超える相続税が課される可能性があり、それを防ぐためのものです。また評価時点は公示価格と同様、毎年1月1日とされ、7月1日に公表されます。

 

土地の4つの時価について説明してきましたが、それぞれの目的を明確に理解し、使い分けていくことが必要です。