相続税と名義預金・実務編①
名義預金の概要は こちら で触れました。
今回は、名義預金をどう判断していくのかを見ていきます。
まず、名義預金と判断される要件を整理します
1.その預金は、誰のお金がもとになっているか
2.その預金は、誰が管理しているか
3.その預金は、誰が自由に使うことができるか
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.その預金は、誰のお金がもとになっているか
奥さまの預貯金の名義預金判定で最も難しいのが、ここになります。
例えば、専業主婦で40年間ご主人を支えてきた奥さまがいらっしゃるとします。その奥さまに預貯金が1千万円あるとします。この場合、この1千万円はどのように蓄財したのかが重要な判定要素となります。
もし、この1千万円が、奥さまのお父様から相続で譲り受けたものであれば、名義預金とはなりません。
もし、この1千万円が、結婚する前から奥さまの預金であったなら、名義預金とはなりません。
もし、この1千万円が毎年、民法上、適法に成立した贈与に基づき蓄財されていれば、名義預金とはなりません。民法上の贈与成立要件は こちら
もし、この1千万円が、ご主人から毎月20万円の生活費を受け取って、やりくり上手な奥さまが毎月10万円で生活をし、残りの10万円を奥さま名義の通帳に入金していたら、場合によっては名義預金となります。
これらを総合的に判断し、預金のうち、奥さまの固有財産はいくらなのか、名義預金はいくらなのかの判断をすることになります。固有財産の算定が、相続税に大きな影響を及ぼすことになるのです。
相続については こちら